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Column
presented by Wochenmagazin "Gold"
Author Glyzinie Blauregen

-庭園提言-
2015年10月26日号

ある州の刑務所で脱獄が発生しただけならこの週刊「ゴールド」が取り上げるはずないのだが、その脱獄の手段として郵便チェスが使われたとなると、驚いて筆を持たざるを得ない。
どうやらその囚人たちは、脱獄プランを共有するときにd4、e5……のように棋譜に見せかけた暗号を書いて手紙を送りあい、郵便チェスと説明して検閲をパスしていたそうだ。更に、囚人たちの所持品の中には、チェスボードを模した地図が描かれている紙切れがあって、それを手紙の暗号と照らし合わせると外までのルートが分かるんだとか。
ただ、偶然にも検閲を担当していた看守がチェスを嗜む人だったらしい。チェックの為に毎度送られてくる手紙を見て、書かれた棋譜を実際に再現してみると全くのデタラメであることが発覚し、そこから脱獄が計画されていると分かるとすぐにその囚人たちを捕まえたという。
郵便チェスをモチーフにした脱獄プランを考えた囚人たちもなかなかの天才だが、気づいた看守も相当なやり手だね。
今回の挿絵は似顔絵ではなく、ブツのイメージ図を何となく描かせてもらった。やだよ、犯罪者の顔を描くなんて。(知らないし)
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