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Column
presented by Wochenmagazin "Gold"
Author Glyzinie Blauregen

-庭園提言-
2011年6月20日号
誰が「アンパッサン事件」なんて上手いこと言ったんだか。
アンパッサンはポーン同士で発生する特殊な動きだから、被害者の価値が薄いのなら加害者の価値も薄いと言わざるを得ない。解決するまでに一体何人のポーンが襲われるのだろう。
なぜチェスプレイヤーばかりが標的になったのかは実行者のみぞ知ること。それでも何かはあるんじゃないかと思って私も軽く調べてはみたが、被害者の共通点はチェスプレイヤーであること以外に何もない。少々性格に難ありな人が多いような気がしないでもないが、アメリカのジェフリー・スマートは普通にいい人だ。
先月、彼と話す機会があったので事件について簡単にインタビューを行ったら「オレの美麗な肌に傷を付けられたのが許せないね!」と言いながらティント・デ・ベラーノを飲み干した。どうも事件より自分のことを気にするタチらしい。私にはそれしか分からなかった。
恐ろしいことにアンパッサン事件は未だ解決せず、被害者は今後も増える可能性がある。まだ今は5人に収まってる、と言えるだろうが、6人目や7人目が現れるかもしれない。加えて、チェスプレイヤーのみならず業界関係者も被害に遇うことも考えられるため、この週刊誌やコラムが打ち切りになったら察してほしい。
私もまさかここまで大袈裟な事件になるとは思っても見なかったから、アンパッサン事件についてコラムニストとして慎重に首を突っ込んでいくとしよう。
と言うわけで、今週号の挿絵はナシだ。ショッキングな事はあまり描きたくないものでね。
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